足底腱膜炎

足底腱膜炎

足底腱膜は、足指の付け根からかかとまで伸びた腱です。足底腱膜はかかとの骨の前方に付着していて、足底腱膜炎の多くは、その付着している部分に痛みを生じます。かかとの前方は、歩行の着地で地面からの大きな衝撃を受ける部分で、さらに歩行で地面を蹴る際には足底腱膜によって強く引っ張られるため、足の中でも強い負荷がかかる場所です。足底腱膜炎は女性の発症が多い傾向がありますが、ジャンプやランニングなどかかとへの負担が大きいスポーツをされている方の発症も少なくありません。

症状

起床した直後の第一歩でかかとの内側前方に強い痛みを感じます。歩くうちにこの痛みは軽減しますが、歩行量が増える夕方には再び痛みが現れて強くなっていきます。スポーツをされる場合は、ランニングをはじめた直後に強い痛みを感じ、しばらく続けていると気にならなくなって、長時間スポーツを続けていると再び痛みを起こします。特に階段を上る時など、つま先に負担がかかる動作で強い痛みを生じやすくなっています。

原因

立ち仕事、長時間の歩行、肥満、合わない靴を長く履いている、ジャンプ動作が多いスポーツやランニングなど、かかとにかかる大きな負担が積み重なって発症します。足底腱膜とかかとの骨の付着部に小さな傷ができる微小損傷がまず生じ、進行すると石灰化や骨化などの変化を起こします。かかとにトゲ状になった骨棘が生じることもあります。

診断

問診で症状やライフスタイルなどについてうかがって、かかとの骨の内側前方を圧迫した際の痛みの有無を確かめます。その上で、長時間の立位、歩行、走行、歩行開始時にかかとの骨の内側前方の痛みがないかうかがいます。
足根管症候群、筋や腱の部分的な断裂、反射性交感神経萎縮症、足底腱膜線維腫症などではない場合に、足底腱膜炎と診断されます。X線検査では骨棘が確認できることもありますが、確定診断にはつながりません。

治療

まずは薬物療法やリハビリによる保存的治療を行います。
薬物療法では、痛みを緩和させる非ステロイド性抗炎症剤の外用剤や内服薬を使います。激しい痛みがある場合にはステロイドの局所注射を行うこともあります。頻回な注射は周囲の脂肪組織萎縮や腱膜断裂などのリスクがありますので活動性に応じた慎重な検討が必要です。また、体外衝撃波治療法も有効であり保険内で治療を行っております。
リハビリでは、歩き方や体重コントロール、アキレス腱や足底筋膜のストレッチ、足底筋力トレーニングなどを行います。立位で行うストレッチや手でかかとを支え、もう片方の手で足指を手前に大きく曲げ、足裏を伸ばすストレッチなども行います。
また、足の形に合った靴を選ぶことも重要です。適した中敷き(インソール)の装着も効果が見込めます。

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